犬の行動心理学 ~好きだから陥るしつけの罠~
実は犬のしつけは、愛犬が可愛いあまりに、一生懸命になり過ぎてしまうほど失敗しやすいという傾向があります。
というもの、しつけ本などに書かれている内容など、一般に広まっているしつけの方法では、やればやるほどあなたの愛犬が手に負えなくなるような間違えた方法が、さも当たり前のように言われていたりするからです。
その一つは、おやつやおもちゃを使ったしつけ。これもやり方を間違えるとさらに手に負えなくなります。
例えば、お座りを教えるためにボールを使うとします。
確かに、ワンちゃんは素直にお座りをするかもしれません。しかし、これはただボールに欲しいだけに過ぎません。あくまでもモノに釣られているだけで、しつけがうまくいっているわけではないのです。
ちょっと難しい言葉ですが、"行動心理学"の観点から考えると、犬には2つの本能があります。
一つ目は、獲物を獲得しようといいう狩猟本能、
二つ目は、群れの上下関係の中で上位の者に従いたいという服従性の本能です。
しつけにおやつやおもちゃなどを使って、「モノが欲しい」という気持ちにさせるのは、一つ目の狩猟本能を旺盛にさせてしまっているのです。つまりおやつがおもちゃが愛犬からすると"獲物"なわけです。
そうすると、あなたの愛犬は攻撃的な本能が強くなり、ますます手に負えなくなってしまうのです。
このように、愛犬のしつけのつもりでしていることが、実は逆効果になってしまうこともあるのです。